外務省を騙るウィルスメール――何故、日本語のウィルスメールは少ないのか
外務省の職員を騙ったウィルスメールが流通しているそうです。
(⇒ウィルスとは)
参考
外務省職員を発信元と詐称するウィルスメールにご注意ください [外務省]
外務省職員のアドレスをかたったウイルスメールが流通 [ITMedia]
メールの内容は、小泉首相の靖国参拝を非難するものだとのこと。
ワシントンにある在米日本大使館員の名前をかたって「mofa.go.jp」のメールアドレスから送付されているといい、添付ファイルを開くとウイルスに感染する。
とのことですので、外務省にお友達のいない方は、「○○@mofa.go.jp」から送られてきたメールには注意しましょう。
外務省にお友達のいる方は、もっと注意しましょう。
日本語メールでのウィルスというのはあまり多くないケースですので、我々日本人にとってはあまり免疫がありません。
くれぐれもご注意を。
さて、それでは何故、ウィルスメールは日本語のものが少なく、英語のものが多いのでしょうか?
日本語のSPAMメール(迷惑メール)はここ1,2年で急激に増えましたが、ウィルスメールはそうでもないですよね。
(⇒SPAMとは)
何故?
- 日本人はモラルが良いのでウィルスをばら撒かない?
- 日本人にはウィルスを作るような技術を持っている人が少ない?
いやいや違います。
答えは簡単。
ウィルス作者、あるいはウィルスをばら撒く人の気持ちになって考えてみましょう。
彼らの目的は
「より多くのパソコンに被害を与えること」
です。
もちろん、その先には「より多くの被害が出る」⇒「(話題性のあるウィルスを作った・ばら撒いた、という)自己満足を得る」という目的があるのでしょうが……。
ともあれ、ウィルスを送り出す側としては、できるだけ多くのPC(パソコン)にウィルスを感染させたいわけです。
となればもちろん、ウィルスを感染させるために利用する経路は、全世界中に網の目のように広がったネットワーク=『インターネット』です。
メールを使えばごくごく簡単に世界中にウィルスを送りつけることができますもんね。
さて、ウィルスを流通させるため、全世界に向けてどーんとメールを送るわけですが、ここでひとつ障害があります(ウィルスを送る側から見た場合の障害です。あくまで)。
メール受信者に、添付されたウィルスファイルを開いてもらわなければならないのです。
添付ファイルを開かない限り、メールからウィルスに感染することはありません。
(※ただし、HTML形式のウィルスメールは別です。メールを読むだけで感染します)
というわけで、メールに添付したウィルスファイルを受信者に開いてもらうために、メール本文で小細工をします。
添付しているファイルがいかにも魅力的なものであるかのように思わせる文章で、受信者の興味をひき、添付ファイルを開かせる、という手法です。
では、そのメール本文。何語で書きましょうか?
目的は、とにかく少しでも多くの感染者を出すことですから、当然英語ですよね。
そんなわけで、ウィルスメールには英語のものが多いのです。
とは言え、今回のケースのように、日本語のウィルスメールというものも皆無ではありません。
むしろ、日本語のウィルスメールというものが少ないせいで、逆に警戒心がなくて簡単に添付ファイルを開いてしまう人も多いかもしれませんね。
最近ではウィルスだけではなく、フィッシング詐欺のメールも日本語のものが増えているようです。
添付ファイルとHTMLメールには充分に警戒を。
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